はじめに
2022年4月からは高校の家庭科の授業で金融教育について取り入れられることが決まりました。
これは、令和の時代、資産運用や家計管理を個人の自助努力で賄う必要性があるという見方もとれます。
しかし、今の20代以降の年代の方は金融教育を学ぶ機会は少なかったと思います。
現に、2021年11月、松井証券㈱が金融教育に関する実態調査を行った結果がこちらです。
いかに自分の金融知識と判断に自信を持てていないかが分かりますね。
学ぶ機会が少なかったので当然です。
しかし、令和時代を生き抜くためには、
個人がお金に関する正しい知識をつけ、
金融リテラシーを向上していく必要があるのです。
とは言っても、すべてを学ぶのには膨大すぎます。
この記事では、年代別にどのような知識を持つべきなのか、
どのように自助努力をすればいいのか解説します。
早速みていきましょう!!
社会人1年目
社会人1年目。まさにスタートの時期です。
大切なのは、自分の収入・生活費を把握し先取り貯金することです。
さらに、公的な保障や年金などを理解して金融商品の利用に目を向けましょう。
まずは、社会保障制度を知ることがひとつです。
社会保障とは、「社会保険」「社会福祉」「公的扶助」「保険医療・公衆衛生」の4つ制度を指します。
特に身近な「社会保険」では、社会保険料が給与から天引きされますね。
項目としては「健康保険料(1/2負担)・厚生年金保険料(1/2負担)・介護保険料(1/2負担)・雇用保険料(1/3負担)」が毎月の給与から差し引かれます。労災保険料は事業者(会社)が全額負担しています。
また、2年目以降は住民税も納めます。ふるさと納税やクレジットカード支払などを利用しましょう。
標準報酬月額のおよそ2割程度が引かれることを知っておかなくてはなりません。
そのため、自分の収入=手取り金額で計算することが必要です。
次に、手取り額と毎月の生活費を把握し、貯金額を明確に決めましょう。
そのうえで、給料日に貯金額を別口座に移すなど先取りして貯金することが確実な貯金に繋がります。貯金の内うち、長期運用できる金額を資産運用に充てましょう。
また、この時期にライフプランを一度作成することもおすすめします。
自分が将来どうしたいのか、そのためにお金はいくら必要なのか。
考えてみる機会をつくることで、実現できる可能性が広がりますよ!
貯金額の決め方などはこちらの記事でも解説しています。
おすすめの著書・動画——————*
20代後半~30代
この世代では、結婚・出産・転職・住居購入など、様々なライフイベントを迎える方が多いでしょう。
そのため、保険・住宅ローン・資産運用などについて知識をつけておく必要があります。
保険の分野では、生命保険の必要性について賛否両論あるようですが、私は必要な保障は持つべきだと考えます。
特に、入院して働けない時、万一の際に遺された家族の生活。これを公的保障のみで賄うことは厳しいからです。
私の実体験として、ファイナンシャルプランナーとして保険も取り扱っている職業上、何度も死亡保険金の請求を受け付けました。
金額ももちろんですが、将来が不安・公的保障の支払手続きがあるなかで、死亡保険金がすぐに支払われるという点でも遺族の方は安心感を持たれます。
しかし、保険業者に言われるがまま加入しているのは良しと思いません。
自分の家族に必要な金額、保障を最低限持っていればいいのです。
不要な保障や支払事由のハードルが高い保障はおすすめしません。
住宅ローンについては、金融機関の民間ローン・フラット35など、変動金利・固定金利がありますね。民間ローンの提携ローンを利用すれば金利の優遇などが受けられるかもしれません。
変動金利は定期的に金利が見直されますが、契約時点では固定金利より低水準に設定されている傾向があります。デメリットとして、金利が上昇した際に返済額が増えるため、資金計画以上の返済が必要になる場合があります。
固定金利の代表的な商品としてフラット35がありますが、これは住宅金融支援機構と金融機関が提携して融資しています。契約時の金利が変わらないため返済プランが立てやすいのが特徴です。しかし、低金利が続くなど市場動向によっては、返済総額が変動金利に比べて高くなる場合があります。
デメリットも考慮し、あなたの生活や価値観にあった方法を選択してください。
資産運用については、まだまだ長期運用が可能な年齢のため、積極的に金融商品の利用をおすすめします。
つみたてNISAやiDeCoなど税制優遇される商品から始めてみましょう。
また、家族構成や転職など変化のタイミングで収支バランスを正確に見直しましょう。
お金の使い方や貯め方を見直し、資産形成に向けた動きを取ることが重要です。
日常のお金の使い方、貯金方法はこちらで解説しています。
おすすめの著書・動画——————–*
40代
40代では、お子さんが大学に進学する方や住宅購入など大きな出費がある一方、資産形成も安定し、まとまった金額を確保できている方も多くいらっしゃいます。
しかし、20代30代と比べて金融商品への投資はなかなか踏ん切りがつかない方が多いのです。
この世代では、金融商品知識を持つこと、‟円‟と‟預金‟が絶対的な安心ではないと理解することが大切です。
また、万一の際や病気など不測の事態に対応できるすべを持っているかも確認しましょう。
40代というのは、60歳~70歳が定年と考えると、まだまだ長期的な運用も可能な年代なのです。上記の30代と同様、まずはNISAやiDeCoなどの税的メリットがある商品からスタートしてみましょう。
20年間であれば現役のうちにほぼ活用できますね。
また非課税枠が120万円/年のため、MAXで掛けても月額約3万円と引退後も数年であれば続けやすい金額です。もちろん金額は個人で設定できます。(金融窓口により月々の掛金の最低金額が異なります)
定期預金の預金は、運用効率は高くないものの円建として元本割れはないですよね。
しかし、インフレによる物価上昇などによって円の価値は下がるかもしれません。
そのことから円や預貯金は必ずしも安全とは言えないのです。
円へのリスクを把握して、分散投資を考えてみましょう。
不測の事態に備える方法として、予備の資金の確保・公的保障の把握・保険の見直しなどを改めて確認しましょう。
お子さんが自立する年齢の方も多いと思います。40代でもライフプランニングと老後に向けたキャッシュフローを行うことをおすすめします。
おすすめの著書・動画——————–*
50代~定年以降
50代以降では、親の介護問題や相続、自身の定年退職や健康など様々なことに目を向けなければならない方が多くいらっしゃいます。
子どもも大きくなり、自分たちの老後を考えていく必要もありますね。
この年代では、今できる資産運用と資産の把握、老後のライフスタイルを具体的にすること、収支は黒字を維持しているかを意識しましょう。
相続については、大変だった方も多いのではないでしょうか。
今後の二次相続やご自身の万一の際に備えた準備もしておきたいですね。
まだ早いと思われるかもしれませんが、つい後回しになってしまうことも多いので、お子さんたちのためにも健康であるうちに準備しておいて損はないのです。
50代からも資産運用が重要になります。
今まで長期にわたり一生懸命に働いてきましたよね。今後はその稼いだお金に働いてもらう番です。
2024年から『新NISA』が開設され、こちらは50代以降の方におすすめです!
投資期間は5年間で現行NISAと変わりませんし、つみたてNISAと現行NISAをかけあわせた内容ですので、国としては安定的な資産形成×成長資金の供給拡大を狙ったものになります。税的メリットも同様に受けられますので活用いただくことをお勧めします。
引退後のライフスタイルにはお考えでしょうか?
定年後の資産を把握し、年金受給額などの範囲内で生活できるようライフスタイルの見直しを行いましょう。そしてそれに向けた準備しましょう。
また、60代以降であれば、判断力・理解力の低下や介護状態になった場合に備えて資産の管理方法を見直すことも必要です。
おすすめの著書・動画——————–*
さいごに
人生100年時代の令和時代です!!
生き抜くためには人任せではなく、自分の知識と資産を高めることが重要です!
金融リテラシーを向上させて、豊かに余裕をもって楽しめる人生にしていきましょう。
年代別で解説しましたが、どれも重要で繋がっています。
ぜひ、他の年代にも目を通していただき、お子様、お孫様への金融教育にもお役立てくださいね!!
幼児から大学生までのお子様に向けた金融教育学習内容も発信しています!
ぜひ、ご覧ください。
コメント